性格/歴史
キュウカンチョウは、かつてインドから東南アジアまで広域に生息していましたが、森林伐採や乱獲などによって野生の個体数は減少傾向にあります。
江戸時代に自らを九官と名乗る人物が日本へ持ち込んだことがきっかけでキュウカンチョウという名称で国内に定着しました。
明るく社交的な性格のため、ペットを飼育した経験がない方でも馴染みやすいです。神経質な一面もあり、周囲の状況を確認しやすく、地面からの振動が伝わらない場所にケージを設置する必要があります。
魅力
キュウカンチョウは、ヒナの時点から飼育すると、しつけの方法によっては手乗り鳥へと成長します。ちなみに、ヒナが出回る時期は限られており、春先~初夏です。
音色や声色を真似ることを得意とし、お喋りが大好きです。興味のある言葉を繰り返し呟く癖があるため、飼い始めると家が賑やかになります。
毎日の生活を送る中で飼い主が色々と問い掛けている内に自然と言葉を覚えますが、視線を合わせながらゆっくりと喋るとキュウカンチョウの頭の中に言葉がインプットされやすいです。
また、黒色の大きな瞳が愛らしい雰囲気を漂わせている点も大きな魅力となっています。
飼い方
キュウカンチョウは、1つのケージで1匹を飼育すると手入れしやすいです。ピョンピョンと横に飛び跳ねて移動する習性があることから、横幅のあるケージの中に止まり木を設置する必要があります。
朝に水浴びする習慣を持っているケースが一般的なので、前日の晩から大きな皿に水を入れてケージ内に用意しておくことが望ましいです。
野生下では雑食ですが、総合飼料が推奨されています。手乗りなどの訓練のご褒美にはフルーツや野菜をサイの目状にカットして混ぜ合わせたものが適しています。また、光沢のある玩具が一人遊び用の玩具に有用です。
寿命
キュウカンチョウの寿命は、個体差が大きく5~20年となります。
気をつけたい病気
キュウカンチョウは、ケージ内という狭い範囲で生活しているので肥満になりやすいです。食事を与える量に留意しておかなければ、適正体重の超過によって様々な内臓疾患を引き起こす可能性があります。
疾病の合併症として肝障害が発生するケースが多く、尿酸や羽毛の変色を察知した際には早急に動物病院を受診するべきです。
さらに、摂取エネルギー量だけでなく鉄分も意識して食事を与える必要があります。食事療法が正しく進められなければ鉄貯蔵病に陥りかねません。
また、不衛生な環境の継続によって脚部の感染症が起こりやすいです。
価格相場
キュウカンチョウは、1匹当たりの値段が20万円~40万円程度です。
野生の個体数が少ない上に日本で繁殖技術が確立されていないので、高額な値段で取引されています。国内で流通している個体の大多数はシンガポールから輸入されたものです。
さらに、ブリーダーが存在していないので、取り扱っているペットショップもあまりありません。入手ルートの確保が困難な一方、幅広い年代に人気がある鳥のため、購入を決断するタイミングを見誤ると飼育の開始が遠のきます。